作品名「かく」。
“？”が“！”に変わる世界に一つだけの家

大胆奇抜にして繊細、モダンにして古風、閉鎖的に見えて開放的、ビジュアル重視でありながら機能性抜群etc…各々の相反するエレメントを絶妙に折り合わせ、誰も見たことがない新次元の住まいが生まれました。

スタイリッシュな家づくりで定評のある田中工務店が、これまで以上に個性的な住宅をつくりました。初めて見た人は、家か倉庫か工場かと悩むかもしれません。黒の台形をどんと置いたような潔いまでにシンプルな造形は、思わず「COOL！」と言いたくなるかっこよさ。その大胆さは「見た目は奇抜で個性的な家がいい」と考えていた施主のTさんの想定をも超えていました。「当初案は完全な直角三角形。おにぎりのようだった」とか。そこから話し合って、この形に落ち着いたのです。「プランニングは、どんな風に暮らしたいかとか、必要な部屋とか、大事なことだけをある程度言って、あとはお任せした形です。出てきたプランは、こちらの意図を十分に反映しつつ、想像の及ばないところまでしっかり考えられていて、すごいと思いました」とTさん。家と塀を一体にしたデザインも「道路外から見えないように」「カーテンを閉めずに暮らせるリビングがいい」といった会話から生まれたアイデア。「設計時も施工時も、デザインの方向性や核になる部分は決めましたが、ディテールの判断は進行形でした。工事中も〝こんな風にしましょうか？〟と次々に提案をもらいましたし、こちらも思いついたことをどんどん言って調整してもらいました。だから素人ながら、ずっと一緒に家づくりをしていた気がします。ハウスメーカーや設計を外部委託しているところでは、こんなことは無理だったでしょう」とふり返ります。